コラム
C60とノーベル化学賞:フラーレンの発見をたどる
炭素原子が60個つながると、なぜサッカーボールに似た形になるのか。発見と受賞の経緯をたどります。
炭素原子がつくる閉じた殻
C60の「60」は、分子を形づくる炭素原子の数です。頂点に炭素が並び、五角形12枚と六角形20枚で閉じた殻をつくります。昔ながらのサッカーボールの模様を思い浮かべると、形がつかみやすくなります。
フラーレンはこうした閉じた殻をつくる炭素分子の仲間の名前です。C60は代表例で、炭素原子70個からなるC70もあります。「フラーレン」と「C60」は、説明の範囲によって使い分けたい言葉です。
1985年の実験から1996年の受賞へ
研究者たちは炭素を蒸発させ、ヘリウムの中でできた炭素の集まりを質量分析で調べました。その中で炭素原子が60個の集まりが目立ったことから、対称性の高い殻の構造が提案されました。C60の名前「バックミンスターフラーレン」は、ドーム建築で知られるバックミンスター・フラーにちなみます。
1996年のノーベル化学賞は、フラーレンを発見したカール、クロト、スモーリーの3氏に授与されました。化粧品でこの賞に触れている場合、受賞理由は分子の発見です。製品を比べるときは、全成分や使い方も別に見ていきましょう。