コラム
フラーレンの安全性:EUの評価は何を示したか
EUのSCCSが2023年に示した、ナノ形態のフラーレンに関する判断と、個別製品との違い。
評価対象は資料の表題から確認する
欧州委員会の消費者安全科学委員会(SCCS)は2023年、フラーレン(C60、C70)や水酸化した形態などのナノ材料について最終意見を公表しました。提出された資料などでは、物理化学的な性質や体内動態、毒性の情報に不足があり、安全性の結論を出せないとしています。
C60とC70の遺伝毒性の可能性を排除できない一方、水和した水酸化フラーレンについては、利用できる証拠に基づき化粧品での使用は安全とみなせないと判断しました。同委員会は水酸化フラーレンにも同じ懸念が当てはまるとしています。対象の物質ごとに、評価の言い方が違います。
科学意見と、個別製品・各国のルールを分ける
この文書は対象になったナノ材料についての科学意見です。ここから、日本で見かける「フラーレン配合」の全製品について安全・危険を一括判定することも、各国での販売可否を決めることもできません。規制の現状を調べる場合は、対象物質、適用地域、施行時期を別に確認します。
自分が使う品について気になることがあれば、商品名・容量と現品表示を手元に置き、メーカーに配合形態や使用上の注意を確認するのが具体的です。肌に異常が出たときは使い続けず、製品の注意事項に従います。